零式ロケット

こんにちは、れびこです。
東日本大震災から1年…1年とはなんと短いのでしょうか。

きっと心の傷が残っている人はたくさんいるんだと思います。

今日という日を迎えて、「強い人だ」と言われ続けたおれも
不安で押しつぶされそうでした。


…でもイビキかいて寝てましたよ、ごめんなさい；；；；；；
喉痛いとこれだよ、コノヤロウ；；；；；；；；


真面目に…TVで「東日本大震災から1年が経ちます」とか
やってて、特番とかやってました。
八戸の被害って、宮城やら他のところと比べると大したことなかったんですが、
やっぱり津波はきたわけで、その被害を見たわけで…
電気がつかない日が続いたりしたわけで…
TVで見るたびに涙しか出てきませんでした。
チャンネル変えました。

こういう番組を見るたびに、おれの親友のﾋﾎﾝちゃんやおれの従姉が
体験してきた話を思い出すんです。
きっと辛かったであろうことを思うと、言葉すら出ない。
やっぱり1年経った今でも、特番「東日本大震災」関連は
見れませんでした。

そうだ、丁度一年前のおれたちと、実家やら、従姉たちのことでも
かいておこうかと思います。

長くなります。

そして、注意。

ケータイで撮ったものの、津波の時の写真があります。
従姉から送られてきたものです。
そういうのは見たくないという方は

「つづきが気になるって？」をクリックしないでください。

[0回]

2011年3月11日。
しゅんたまが4月から幼稚園に通うということで、
大丈夫かな？幼稚園いけるかな？幼稚園に行ったら言葉も増えるかな？
とか、期待と不安でいっぱいになりながら4月を待っていたあの日。

言葉なんてやっぱり喋らなくて、宇宙語？なのか、幽霊語？なのか、
よくわからない言葉ばかりを言っていたしゅんたま。
大好きなトミカで遊んでて、おれはTVを見ていた。

ぐぅらぐぅらと揺れる家。

あぁ、いつもの地震かと軽く思っていたが、揺れがおさまらない。
TVの方に行こうとするしゅんたまを呼び寄せて、とりあえず様子をみる。
どれぐらいたったかはわからない。
でも、これだけは言えたんだ。

「嗚呼、地震か」

軽く考えてしかいなかった。
だが、すぐに2度目の大きな揺れ。
もう数える暇も与えないくらい大きく揺れたと思う。
やがて近所のおばさんが出てきて、
「なんか揺れたねぇ？大丈夫？」と心配してくれた。
おれは一応、逃げ道確保と思って開けておいた茶の間の窓から
顔を出して、「こっちは大丈夫ですが、電気消えましたね」と言った。

とりあえず、逃げたほうがいいんじゃないかという話になって、
おばちゃんやら町内会長さんやらがおっきなカバンを持って
出てきた。
おれもとりあえず、準備をしたんだ。急いで。
お金・服・しゅんたまグッズ・PSP・そして、なぜか三國無双6のソフトだけ(笑）
リュックにいろいろ詰め込んだ。
とりあえず、かむいが来てからにしようと思ってた。

そしたら、かむいから電話が入って、
「とりあえず近所のスーパーの屋上に逃げて！津波きてる！」
って話を聞いた。
ここで、高い場所って言ったら、その近所のスーパーの屋上か
近所の小学校。
「おれも、すぐいくから逃げてちょうだい」
と言われたので、雪の中、ターボとしゅんたまをひっぱって逃げた。
しゅんたまもターボも散歩にいくんだ的なノリで出てた。

で、近所のスーパー。
駐車場は閉まってて（ロープはられてて）、入れなかった。
仕方なく、そこでどうしようどうしようと考えてたら
かむいがきて、「車に乗れ」っていうから乗ったんだ。

車のTVだけは見れたので、見てたら、
八戸の港がとんでもないことになっていた。
八戸だけじゃなくて、仙台も。

何回も仙台の実家に電話したけれど、「混雑しておりますので…」という機械音。
うちの実家は津波とかに飲み込まれる心配は恐らくない場所にある。
でも、建物が古いから、潰されるという心配はある。
何度も電話をかけたが、機械音。
海沿いに住んでる従姉にも電話とメールをした。やはり機械音。
その間に友達へメールをいれた。
ﾋﾎﾝちゃんの家は夏になるとカニが庭にくるほど、海がそばにある。
大丈夫だろうか…
ﾋﾎﾝちゃんと連絡が取れず…他の友だちにも連絡を入れてみる。
一人と連絡がとれて、その子は無事だった。
旦那さんの実家に逃げてきたということだった。


ﾋﾎﾝちゃんはおれの親友だ（と勝手におれが思ってる、ｺﾞﾒﾝ！）
生きててくれと、みんな生きててくれとおれはただ祈るばかりだった。


その間に、おれとしゅんたまとかむいとターボは、
川沿いに住んでるかむいの妹さんの家にきた。
とりあえず、高台にある実家に逃げるぞ
ということになって、妹さんとお子のAくんをつれて、
旦那さんが戻ってくるとアレだから、置き手紙を残して
かむいの実家に向かった。

信号機も動いていなかった。
混乱している車がたくさんいた。
かむいは、道に詳しいから、あっちを行ったほうがいいと
道を選びながら進んで、実家にたどり着いた。

電気はやっぱりつかなくて、
ロウソク持ってこようってなった。

ロウソクで過ごした。
でっかいのが必要だねってことになって、妹さんの結婚式の
時のロウソクを出してきて、使うことになった。
こどもたちは、おとまり会の感覚だったのか、きゃっきゃっと
はしゃいでいた。

でも、それでも、何回も地震がきて、揺れて。

いつか落ち着いたんじゃないか？という時に、
おれとかむいはしゅんたまを連れて家に戻った。
不安だからと、ラジオをつけて寝てた。
TVがつかないから、ラジオの音だけが頼りだった。
やっぱり地震は何回もきて、その度3人くっついてた。
ターボ可哀そうだけど、ターボは小屋の中だ。

朝起きて、電気がつけばいいねなんてそんなことを考えながら
寝なきゃって思ったが、眠れなかった。
揺れるたびに起きた。

大きな揺れが来るたびに、真っ暗な夜であっても、
かむいの実家に逃げた。
情報がなかった。情報はラジオからか、もしくは車の中のTVから。
だから、車の燃料は大事だったが、燃料は減っていく。

そして、ガソリンスタンドに並ばなくてはいけなくなった。
おれはミクシィで情報を調べた。
このガソスタが営業してるだの、そんな情報を仕入れたりしてた。
これは何日目のことだったんだろう…

ただただ必死だった。
食べ物を集めてこなきゃとか、ガスはあるし水もでるから、
米はガスで炊けるねとか、電気はいつつくのかなとか、
ガソリンあれば買い物いけるかな？とか…。

おれとかむいとしゅんたまとターボは、実家と家を行ったり来たりしていた。
小さなライトとロウソクを持って。


結局、実家と連絡はとれた。
お互いに「生きてるのか？大丈夫なのか？」ということを告げた。
「従姉の家はどうなったのか」と聞いたら、
「もうすべて流されてしまった」と返ってきた。

従姉の家はすごい広いんだ。
小さい頃、庭に鯉が泳いでてさ。
元地主さんだから（曾祖父さんが）、凄いひろかった。
おれも小さい頃に何度もいった思い出の場所だ。
それが、すべて流されたようだ。
想像なんてつかなかった、その時は。

「従姉たちはみんな無事だから心配すんな。今、うちにいっから。」

と、おばあちゃん。
うちの実家にいたらしい。よかったと思った。
少し落ち着いてから…地震があった11日から5日くらい経ってからだっただろうか。
八戸では電気が復旧したんだ。
情報を仕入れて、実家にいる従姉に流した。
向こうでもいろいろとあったらしい。
喧嘩もたえなくなったり…とかね。
お金に余裕なくなるとそんなもんだ。ていうか、家狭いから余計だと思う。
休める場所がないんだ。そうなるともう大変だったらしい。

でも、お金の面で言えば、曾祖父さんや曾祖母さんが生きていた時の知り合いやらが従姉に援助してくれたりしてたらしい。服もうちのおかんの親戚関係からいらない服をじいちゃんばあちゃん用にくれたりしてたみたい。
だから、服とお金は困らなかったみたい。

一番困ったのは情報。
全然入ってこない。
仮設住宅に入るにはどうすればいいのか。とか、
義援金についてとか。

そういや、いらん情報ばっかり入ってきてたなとか、
当時の総理は役に立たんかったなとか
今思えばそんな感じだった。

そう・・・従姉から写メが送られてきてた。
3月15日だな、メール送られてきたの。



どこから撮ったのかはわからない。
でも、車すべて流されたって言ってた。



瓦礫ばかりだったって言ってた。



↑ヘリも飛んでたらしい。



従姉んちの近所のローソン。近所っていっても数キロ離れてるはず。
ローソンの隣にある家は、本当は従姉んちの斜め東二軒目の家らしい。
要するに、流されてきたということ。
従姉んちの周りの家の人は…ほとんど助からなかったらしい。
小さな子も、じいちゃんばあちゃんも…。
従姉の家も、津波で流された後、火事になって、燃えて無くなってしまったらしい。


こういうことがあったんだよというお話。


でも、おれがﾋﾎﾝちゃんから聞いた話はもっと酷かった気がする…
きっとﾋﾎﾝちゃんはもっと辛かったと思う。
なんか、やっぱりいたたまれない。

今から近所で避難訓練がはじまるようだ。

…私は腰痛と風邪の為参加できないが、
指示どおりにポストに黄色い紙を挟めてこようと思う。